系統の概要
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<基本特性>
- 高血圧を自然発症
- 骨粗鬆症モデル
- 行動面は多動的
<活用例>
- 機能性食品試験
- 実験的腎障害試験
- 降圧剤のスクリーニング
<背景>
1963年京都大学医学部病理学教室でウィスター京都ラットより選択交配により開発された。その後島根難病研究所・島根医科大学を経て京都大学大学院人間環境学研究科で維持後、1994年よりSHR等疾患モデル共同研究会にて維持。
SHRにはB1,B2, CH, CLの亜系が存在し、これはB1系統である。
<特徴>
- 加齢に伴って高血圧を発症し、収縮期血圧は220mmHg程度まで上昇する。
- 降圧剤の開発に貢献している。高血圧が持続することによって、心肥大を発症する。
SHRSP/Izm
<基本特性>
- 脳卒中を自然発症
- 骨粗鬆症モデル
<活用例>
- 実験的心筋梗塞
- 脳卒中予防・遅延試験
- 機能性食品成分のスクリーニング
<背景>
1963年京都大学医学部病理学教室でウィスター京都ラットより選択交配により開発されたSHRの中で、脳卒中を発症するAラインを分離。 AラインにはA1-sb, A3, A4の亜系が存在する。
この系統はA3系統で、1973年に京都大学医学部病理学教室にて開発後、島根難病研究所・島根医科大学、京都大学大学院人間環境学研究科を経て、1994年よりSHR等疾患モデル共同研究会にて維持。
<特徴>
- SHR/Izm同様加齢に伴って高血圧を発症するが、その程度はSHR/Izmより重症で、収縮期血圧は250mmHg以上に上昇し、脳卒中を発症して死亡する。
- SHRSP/Izmは食塩感受性を有し、1%食塩水などを用いて食塩負荷を行うと短期間で脳出血を発症して死亡する。
- 脳卒中の発症はタンパク質などの食事性因子で予防または遅延する。
- 雌性SHRSP/Izmは骨粗鬆症のモデルとしても使用できる。
ラットには閉経が認められないので、骨粗鬆症の研究を行う場合は卵巣摘出を行い、低カルシウム飼料で飼育する必要があるが、SHRSP/Izmはそのような処置なしに骨粗鬆症を発症する。
WKY/Izm
<基本特性>
- 正常血圧
- 血圧:WKY/Izm<SHR/Izm<SHRSP/Izm
- 体重:SHRSP/Izm<SHR/Izm<WKY/Izm
| SHR/Izm | SHRSP/Izm | WKY/Izm | |
|---|---|---|---|
| SBP (mmHg) | 155.3±13.1 | 187.9±13.5 | 120.0±7.1 |
| HR (beats/min) | 347.0±45.5 | 362.6±28.0 | 323.8±26.3 |
ソフトロン社製非観血式血圧測定装置BP-98A-Lを使用し、37°Cの保温箱で10分間保温した後、測定。平均値±標準偏差。 (Bull. Mukogawa Women’s Univ. 2023, 71, pp.36-38. より改編)
<活用例>
- 対照動物として使用
<背景>
1963年京都大学医学部病理学教室で開発されたSHRの親系統。元々京都大学純系動物飼育室で維持されていたウィスター京都ラットと呼ばれていたものの末裔。由来は北海道大学牧野研という。その後京都大学医学部病理学教室、島根難病研究所・島根医科大学、京都大学大学院人間環境学研究科を経て、1994年よりSHR等疾患モデル共同研究会にて維持。
<特徴>
- ウィスター系ラットから京都大学で兄妹交配を繰り返して近交系にした系統で、この系統から高血圧自然発症ラット(SHR/IzmまたはSHRSR/Izm)や脳卒中易発症ラット(SHRSP/Izm)が確立された<▶系統図>。よって、WKY/IzmはSHR/IzmやSHRSP/Izmの対照ラットとして使用される。
- WKY系統は色々のブリーダーから提供されているが、免疫実験を行う場合には注意する必要がある。
- 主要組織適合性複合体抗原RT1の型がIzm系統は全てk型であるのに対し、米国立衛生研究所(NIH)由来のWKY/NCrlCrljはl型である。
(文献:Matsumoto K, et al.(1991). Genetic variability in SHR (SHRSR), SHRSP and WKY strains. Clin Exp Hypertens A, 13(5):925-38.)
SHRSP5/Izm
<基本特性>
- 反応性高脂血症
- 中小動脈脂肪沈着
- 脂肪性肝疾患を発症
- 肝細胞内に胆汁酸蓄積
<活用例>
- 動脈硬化、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)関連実験
- 抗動脈硬化、抗NASHの薬剤、機能性食品成分のスクリーニング
<背景>
1963年京都大学医学部病理学教室でウィスター京都ラットより選択交配により開発されたSHRSPの亜系A1-sbより、反応性高脂血症をきたしやすい亜系として1973年に京都大学医学部病理学教室にて開発。島根難病研究所・島根医科大学、京都大学大学院人間環境学研究科を経て、2002年より金城学院大学生活環境学部で維持管理後、2011年よりSHR等疾患モデル共同研究会にて維持。
ALR は ArteioLipidosis prone Rat の略。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)のモデル。
<特徴>
